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【本紹介】『ユニクロ』杉本貴司(著)_後編

前回に引き続き杉本貴司さんの『ユニクロ』を読みました。

今日はその後編です。

柳井さんは、父から受け継いだ小郡商事からカジュアルウェアの「ユニクロ」を産み出し、23店舗まで広げていました。

その時点でも大きな成功でしたが、柳井さんはこう語っています。

それまでも僕は努力してきた。でも、たいして成長がなかった。それはなぜか。行き先を決めていなかったからです

僕は行き先を決めた

「僕は行き先を決めた。どうせ行くなら行き着く先まで行こうと決めた。それは世界一になること」

先に書いた通り、この時点でのユニクロは広島や山口県を中心にまだ23店舗のチェーンでした。

東京どころか、大阪にも進出していない頃です。

そんな時代に、日本一でもなく、世界一になることを目標に据えたそうです。

非常に面白いです。

そして実際にユニクロはものすごい速度で成長を遂げていきます。

まさにジェニーンの三行の経営論を実践したのです。

三行の経営論

本を読むときは、初めから終わりへと読む

ビジネスの経営はそれとは逆だ

終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをするのだ

これを読んで思ったのが、目標が結果を生むってマジなんじゃないか、ということです。

ワンピースのルフィの「海賊王におれはなる」みたいですよね。

ルフィがボートで一人故郷の村を出発したときからこう宣言しています。

志を決める、目標を設定することがいかに大事かがわかります。

設定した目標によって人生が形作られていくのだということを学びます。

行き先を決めないと人は成長しない

柳井さんは自社ビルで、社員たちに対し「ユニクロを全国にチェーン展開する」と宣言します。

上場できなかったら潰れる。そういう瀬戸際に、僕は自らを追い込んだんです

先に決めた通り、世界一になるという目標を決めた柳井さん。

それまでも僕は努力してきた。でも、たいして成長がなかった。それはなぜか。行き先を決めていなかったからです」

目標がないと、人は大して成長しないのだといいます。

ほとんど失敗する

新しいユニクロのビジネスモデルを模索する柳井さんは、「失敗が大前提となる挑戦」をしたといいます。

そもそも新しいことをやると失敗するものなんですよ。でも、失敗することは問題じゃない。(大切なのは)失敗から何を得るか。(中略)だから、失敗しないと始まらない。」

失敗がスタート、失敗するのは最低条件なんですね。

柳井さんが尊敬する経営者として挙げる、本田宗一郎さんの言葉も紹介されています。

成功とは99%の失敗に支えられた1%である

失敗してはじめてスタートラインに立てるのだ、そんな風に聞こえます。

経営者になる条件

将来、経営者になりたいという部下に、ある時柳井さんはこんな話をします。

「例えば、これは場末だなっていう場所にまんじゅう屋を開くじゃないですか。どうすれば売れるだろうかと考えて一生懸命になって作ったまんじゅうを店に並べるんですよ。ところが、待てど暮らせどお客は来ない」

「そうなると考えるわけです。やっぱりもっと値段を下げるべきなのかな・・・・(中略)」

「そうこうしている間にも従業員には給料を払わなくちゃならない。お金はどんどん減っていく・・・・・・」

最後にこう言います。

『このままじゃ倒産する』と思って胃がキリキリと痛む。それでも考え続ける。そういう経験をしないと絶対に経営者にはなれません

経営者という生き方の厳しさ、責任の重さがよく分かるエピソードで印象的でした。

起業家に問う志

本書の最後は、柳井さんから日本の若い起業家たちへのメッセージで締めくくられます。

「他の者と同じ目線でモノを見るんじゃない」

「広く世界にヒントを求めて視野を広げろ」

上場やバイアウトがゴール? そんな引退興行みたいなことで満足していていいのか

ダメ人間だった自分にさえできたことが、なぜ君たちにできない。

起業家は、若者は、もっと世界に目を向けろ。

もっと志を高く持て。

それは、誰にでもできるはずだ。

柳井さんからのメッセージを受け取りました。わたしも頑張ります。

目線が上がった気がします。

本を読むことで、スケールを大きく発想することができるようになります。

まとめ

以上、杉本貴司さんの『ユニクロ』を読みました。

感じたのは、ユニクロも制約条件の中で創意工夫して長い時間をかけて成長してきた企業だということです。

それともう一つが地道な継続。柳井さんが実家の小郡商事を継いで商売をスタートさせたのは、いまから50年以上前です。

さらに、宇部から東京までたどりつくのに四半世紀もの時間をかけた。

結果としてユニクロはものすごいところまでいったわけですが、地道なことを延々続けた結果だということです。

続けるひたすらに。継続が重要だという当たり前の教訓です。

日々いろんな人の本を読んでいて思うのですが、

人間のポテンシャルにはそれほど差がないのではないでしょうか。

というかそもそも「絶対的な"能力"」なんてものあるのかな?て思うわけです。

能力は目に見えない。目に見えるのは結果だけです。

いろんな試験とか仕事の"結果"で、間接的にその人の「能力」を測るわけです。

でも、同じ試験を同じ人が受けても良い結果がでたり悪い結果が出たりするし、

そもそも勉強する前と勉強した後で、同じ人でもスコア変わりますよね。当たり前ですが。

能力ではなくポテンシャルがあるだけなんじゃないかな。

人と人との違いというよりも、ポテンシャルを発揮した自分と発揮していない自分には差があるのかなと、そんなふうに思います。

もちろん得手不得手があるのは当然ですが。

どんなに優秀な人でもカベにぶつかる、行き詰まる、もうダメだと思うことがある。

本を読むとそういう場面がいくらでも描かれます。とても勇気づけられます。

吉田松陰先生もこう言ってます。

「多くの人が「才能さえあれば、途中で行き詰まることはないだろう」と勘違いする」

「才能はあったとしても、なかったとしても、行き詰まるものです。」

『覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰』

わたしも高い目標を持って、自分の才能を活かしきりたい。

そんな風に思います。

日本で働くすべての人に『ユニクロ』杉本貴司(著)をおすすめしたいと思います。

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