今日は『覚悟の磨き方 超訳 吉田松陰』という本を紹介します。この本は、幕末の天才吉田松陰の名言を現代語訳(“超訳”)した名言集です。まず、吉田松陰の生涯を紹介します。
吉田松陰の生涯
江戸時代の日本では、「鎖国(さこく)」という外国とのつき合いを制限する政策がとられていました。鎖国とは、貿易や交通をやめ,国をとざすことです。当時は、日本人が外国に行くこともできませんし、外国人が日本に入ってくることも禁止されていました。鎖国を破ったら死刑ですから、閉ざされた国でした。
しかし、江戸時代の末期の1853年にアメリカのペリーが突然、黒船を連れて江戸の沖(浦賀)にやってきました。ペリーは大砲三発を威嚇発射すると、江戸は天地がひっくり返るような騒ぎになりました。
そんなときに25歳の吉田松陰は「どうやって西洋を倒そうか」作戦を立てていましたが、実際に黒船の大砲を目にすると「これは勝てない」と判断。即座に頭を切り替えて西洋から学ぶことを考えました。
のちに松下村塾を作り時代を変えていきます。
わたしが特に感銘をうけた名言を、本書からいくつか紹介します。
001:結果じゃない
大事なことは、
なにを、どう手に入れるかではなく、
どんな気持ちを感じたいかなのです。
受け取るものより感じる気持ちです。熱いです。
010:自分はどうあるべきか
反求諸己。
「すべての問題の根本は自分の中にある」
(中略)
「まず自分はどうあるべきなのか」
雑音から距離を置いて、ひとり静かに考えてみましょう。
「すべての問題の根本は自分」。重い言葉です。
023:小さな肉体、無限の心
この肉体は自分、かつ一時的なものであり、
この心は宇宙、かつ永遠のものである。
というのが私の考えです。
040:得を考えるのが損
結果はさまざまです。
全力を出せたかどうか、それだけを振り返りましょう。
正解なのは、それだけですから。
055:丸くなりたくない人へ
今までの常識を無視しようとする人。
周囲から止められても、なかなかあきらめようとしない人。
それ以外は全員、並の人です。
この引用でも本書の雰囲気は十分つたわるように思います。手にとって読みたくならないでしょうか。
吉田松陰の考えは過激です。
日本全体のこと、3000年先の未来のため、とてつもなくスケールが大きいです。
「自分自身の出世や生き死にでさえ些細こと」だというのです。
衝撃を受けました。
わたし自身、自分のありようを考えさせられました。
意味のある仕事をしたい。自分の命を使い切りたい。
今日からそうやって生きていきたい。そんな風に思いました。
著者の現代語訳も素晴らしいです。
松陰の言っていることは過激ですが、説教臭くないのですよね。
自身の信念から心からの本音、でも優しくて温かい語り口が染み渡ります。これからも何度も読み返したい一冊です。
みなさまにもオススメしたいと思います。